コラム


グラフを延々と作成するのも中々苦痛なので、たまには休憩がてら(むしろ休憩になっていないのだが)違う話題を載せるコーナーを設けることにする。

書きたいことは山ほどあるのだが、いざ書き出そうとすると何も出てこないので短いエピソードを提示しながら少しずつ話題を整理しようと思う。

要するにメモ書きの役割も兼ねているコーナーである。

思いつきで書いているため、アーカイブ保存とスクショ忘れが多く、画像を添付できない部分があることについてはご容赦頂きたい。







2022年6月26日

.ttの一文字ドメインが期限切れに


.tt(トリニダード・トバゴ)の数字一文字ドメイン、3.tt~9.ttが期限切れとなり開放されたのを確認した。

しばらくの間中国人が買い占めていたが、ご存知の通り一文字.ttドメインの登録料が非常に高額(3年登録で4000ドル)であることから、さすがに音を上げたのだろう。

更新されずにとうとう期限切れとなった。多数のドメインを所有していたと見られ、おそらく登録料だけで日本円で~200万円程度支払ったのではないかと考えられる。

有効期限が切れるとドメインが第三者に登録されるようになるまで猶予期間が設けられる。今回のケースもレジストリ内のWHOIS情報に"EXPIRED"(期限切れ)の旨が表示されていたため、

この時点ですぐに更新が行われるだろうと考えていた。しかし時は経てど何ら変化はなく、そのまま開放されたようである。


ご覧のように.ttはレジストリの中では珍しく一文字ドメインの所有者一覧を載せているようだ。まさに公開処刑である(そのおかげでアーカイブできたのだが)。

他の所有者名を見ると中国人名義が多いことがわかる(名前にx,y,gが付くものがそうだ)。これは.ttに限ったことではない。






あらゆるドメインのWHOIS情報を検索すると、高確率で中国人名義あるいは国コードに"CN"の表示があるドメインに辿り着くはずだ。これだけ買い占めて全て転売するつもりなのだろうか。

偽名を使うケースや国コードを偽装しているドメイン(とはいえ意図的ではないだろう)もあるため、実際の数はそれをさらに上回るだろう。

なお所有者一覧の中にxTom GmbHという名の会社があるが、この企業は他にも多くの一文字ドメインを所有している。現時点で詳細を全て把握することは難しいが、

所有している数は年々増加しているのではないかと考えている。一部のドメインはsedo.com、dan.comにて販売しているようである。

ドメイン・サーバー管理を行っている企業のようだが、ドメイン自体はほとんど使われておらず一体何をしたいのかさっぱり不明である。

話を戻すが、今回ドメインが開放されたのは登録料が高額であることが大きな理由だろう。通常であれば更新し忘れることはまずありえない。

もちろん所有者が亡くなればドメインは更新されず期限切れとなるが、登録可能となってから数秒以内に転売を狙う人々やアフターマーケットによって登録されてしまうだろう。

彼らはドメインを監視するツールを導入し、市場価値の高いドメインを取得するチャンスを狙っている。

ちなみに今回開放された一文字ドメインも近いうちに全て再登録される可能性が極めて高いだろう。まさに金持ちの道楽である。







2022年6月27日

除外されたドメイン


web.archive.orgは過去のサイトの姿を見れるということでかなり重宝されている。webサイトの寿命は本やビデオテープといった従来の媒体に比べ圧倒的に短く、あっという間に消えていく。

皆さんも、あのアカウントが、あの動画が、いつの間にか消されている…と思ったことは一度や二度ではないだろう。SNS社会の台頭によりその消費サイクルは尋常でないほど早まってしまった。

インターネット上にアップロードされる情報というのは、何者かが気まぐれに公開した断片に過ぎない。一度消されてしまえば、再度同じものを公開しようとする人間はほとんどいない。

第三者が一つも漏らさずにそれらを全てローカルファイルに保存していたとしても、彼らがそれらを見やすいように一つずつ整理し、公開することは極めてまれだ。

ほとんどの人間にとって、一度知ってしまった情報は視界に入らないも同然で、同じことの繰り返しなどやりたくもないのだろう(私だってそう思う)。

これらを踏まえると、かつて存在したwebサイトの片鱗をいつでも見れる状態に保つことはかなり重要な役割を担っている。

しかし中にはこのサイトにアーカイブされることを良しとしない者も一定数存在する。事前にアーカイブされることのないよう対策を講じる者もいれば、削除申請を届け出る者もいる。

web.archive.orgでは削除申請が受理されれば以下のような画面になり、二度とアクセス出来なくなる。


削除申請を出すことのメリットとして、見られたくないドメインの履歴を丸ごと削除することが可能であるという点にある。要するに黒歴史の証拠隠滅である。

ただしこういった行為はドメイン所有者が故意に削除依頼を出していることがバレバレなため、

違う見方をすれば都合の悪い情報を隠そうとしている、という捉え方をされてもおかしくはない(もちろん、何をしようと個人の自由だが)。

現在確認できる限り、web.archive.orgから除外されているドメインは以下の通り。

jur.jp

kaola.jp

doorblog.jp

vidoo.pl

adultcheck.com

goggle.com

whitehouse.com

stileproject.com

mortis.com

nordvpn.com

sicktop100.com

forbiddentop100.com

darkvoid.net

hentai.jp

sporaw.com

sporaw.ru

なんだかんだで必死に調べたはいいものの、除外されたドメインを任意に引き当てることはなかなか難しい。もしこの他にもあなたが知っているドメインがあればご教授願いたい。







2022年8月24日

googl.jp


期限切れの.jpドメインをいくつか漁っていたところ、以下のドメインを発見した。



googl.jp。打ち間違えを利用し他のサイトへ誘導する典型的なドメインである。google関連で言えばgoggle.comが最も有名だろう。


何を思って取得したのかはわかりかねるが、相変わらず変なところへ目をつける人間はどこにでもいるようだ(人のことは言えないが)。

ここでざっとgoogleという単語に絞って紛らわしいドメインを考えるならば、以下のようなものがすぐに思いつく。


gogle.jp、gooogle.jp、goooole.jp、ggogle.jp、goggle.jp、googlle.jp、googlee.jp


早速WHOISを見てみよう。








意外、とまでは思わないがそのほとんどが取得されている。そしてどのドメインも過去に多かれ少なかれ(悪用を含めて)何らかの形で使われた形跡がある。






こういった怪しいページは辿るごとに様々な関連性を探ることができて中々面白いが、今回は本題から外れるため割愛する(というよりもあまりにも多すぎて載せきれない、というのが本音)。

googleの場合、2000年代初頭からすでにURLをhttp://google.co.jpに移行しているためタイプミスによる誘導は期待できないはずである。

現在最も酷似しているドメインはgoogleco.jp(中国人名義で取得済み)だが、もはやアドレスバーにURLを直打ちする習慣が残っている人間はほとんどいないだろう。

.jpドメインに関しては、比較的海外に比べマルウェアに関連したリダイレクトに用いられることよりも、面白半分で単に取得しているだけの印象が強いと感じている。…が、真偽のほどは。

googl.jpは8月31日に開放される。再び正体不明の物好きによって登録されることだろう。







2022年8月25日

arab.jp


前回に引き続き、注目に値するドメインが期限切れとなった。




単体の英単語ドメイン(例:car、power、jump)は常に登録することが難しい。なぜなら人々はドメイン名をいつか使うかもしれない、何かに使えるかもしれないと何となく登録する。

こうした短い名前のドメイン名を一度取得すれば、長年保有し続けたいと考えるだろう。特に日本人の場合はなおさらだ。




.jpが一般に登録可能となったのは2001年なので、最も古い登録データベースは2001年と表示される。

今から20年前に登録し、未だに維持し続けている人々は少なくないのだから驚きだ。単に更新料を支払い続けるだけにしても凄まじい意志の強さを感じる。

しかし問題は彼らが亡くなったり、何らかのやむを得ない理由で手放した場合、それらのドメインはどうなるのだろうか。


ここに売りに出されている複数の.jpドメインがある。これらのドメインをWHOIS検索にかけると、まれに以下のような外国人名義の氏名・適当に登録した偽の住所が表示されることがある。




彼らは削除保留中のドメインを念入りにチェックし、期限切れになるとそれらを大量に買い占め、市場へ流す。どういったドメインが高く売れるかといった知識を熟知しているだけでなく、

豊富な資金を用いて一見何の市場価値もないドメインを含め様々なドメインをまとめて取得している。そうした全ての作業を人間が行っているとは限らない。

.jpの登録要件として日本国内の住所・連絡先を提示する必要があるが、厳格な審査は無いため住所や連絡先がなくとも国外から取得することは容易だ。

こういった状況を鑑みると何者かが長年維持してきたドメインが、このようなしょうもない連中に取得されるといったリスクが想定される。

もちろんたいていの人々はそんなこと気にもとめないだろうし、はっきり言ってどうでもよいことである。

それにしてもドメインを十数年保有しているとなると、彼らは一体いくつなのだろうか。どうか長生きしてほしい。

最後に大したものではないが、以下のドメインも発見した。



それでは。







2022年8月26日

.ir(イラン)の数字ドメイン


.irはイランのドメインで、レジストリにアクセスすると怪しげなアラビア文字が現れる。

サイトの作りは説明・デザインともに割としっかり構成されており、英語版に切り替えることも可能だ。

こうしたレジストリのサイトを眺めると古いデザインのまま更新されていなかったり、いくつかのページにアクセスするとエラーが起こったりすることもあり、

その管理組織のやる気具合が手に取るように分かる。ccTLDは国によって管理されているとは限らず、民間業者に委託するケースが多い。

委託した企業や団体がまともでない場合、杜撰な状態で管理されることになる(特に発展途上国に多い)。

もっとも、運営するためには維持費が必要となるため、折り合いをつけて続けていくのは難しいだろう。

.irのWHOISを何となく検索していると妙なことに気づく。












お気づきだろうか。

数字三桁・四桁のドメインが全て登録されている。こうした現象は我々の知る限りどのccTLDでも見られない。登録数が圧倒的に多い.deでさえ、四桁は選り好みをしなければまだ空きがある。

いくつかのドメインは使われた痕跡があり、アーカイブに記録が残っている。疑問として、何故ここまで数字にこだわる必要があるのか、という点だ。




ある程度の数が取得されている状態はどのccTLDでもあり得るが、.irは000~999、0000~9999の全てが取得されている。

基本的にアジア圏以外は数字を重要視しないはずだ。ここまで膨大な数が取得されることはない。

それにしても一体何故?

ちなみに中国人は数字に対して異常なまでの執着を持っており、.comが大量に取得されているのは周知の事実だろう。これに関しては別の節で取り上げる。










最終更新 22/8/29